2008年5月30日金曜日

38.土鍋の徐加熱・保温効果/タジン鍋の肉厚が効く

 土鍋は金属鍋に比較して「ゆっくり加熱」のため、香りや栄養を損ないにくく、熱むらが少ないので味むらも少なく全体に美味しく調理できる。この逆が「保温効果」であり、長い時間冷めないので「美味しさ」が持続する。タジン鍋は鍋の肉厚を大きくしてあるのでこの効果は一段と大きい。
また、土鍋の中でタジン鍋の調理が特に早いのは「無水調理」のため「水」をあっためる時間が不要だからである。
 一般的に加熱・冷却速度は加熱冷却条件以外に材質固有の「熱伝導率」、「比熱」、「気孔率」、「重量・鍋底厚」で決まる。熱伝導率は大きいほど早く、ダイアモンド・1000、アルミ・240、鉄・84、ステンレス・41に対し、耐熱陶器・1.0(気孔率含む)、空気・0.02。比熱は小さいほど加熱・冷却速度は早く、水・1.0、空気・0.24、レンガ・0.2、金属・0.1、陶器・0.1で大差なし。重量・鍋底厚は小さいほど早いが比較困難である。ただ、土鍋は強度の弱さと重量・使い勝手を考えて、ほどほどに厚く作る。タジン鍋はやや厚くして保温効果を上げてある。