2008年4月30日水曜日

22.タジン鍋の性能実験-1/データで証明する

 タジン鍋、一般土鍋、アルミ鍋で各々調理した場合の「調理水量」、「加熱時間」、「ガス消費量」、「保温時間」、「美味しさ」、「柔らかさ」・・などを比較。材料、仕込み、火加減など「上記」以外の条件は一定とする。 (未実施)

21.タジン鍋の手作り-11/完成検査

 外観にクラック、異物、変形、色ムラ、面粗さ・・・など。 全体的な「見映え」も重要

20.タジン鍋の手作り-10/焼成


            窯詰後の電気炉内部

 強度を確保した上で吸水率を高め熱膨張率を抑えるには、限られた範囲で出来るだけ低温で酸化焼成することが必要。少しでも高温になると「悪玉成分」が生成し、吸水率も下がって熱膨張率が高くなる。さらに、製品の肉厚が大きいので昇温、冷却の過程で破裂しないようなヒートカーブとする。電気炉で昇温10時間、冷却10時間+アルファ。

19.タジン鍋の手作り-9/施釉


 「うわぐすり」を表面にコーチングする。内面はデッピング法、外側はスプレー法にて施釉。耐熱強度を高めるには極力薄く塗布する。

18.タジン鍋の手作り-8/乾燥

 製品の水分は、粘土:約20%前後、中仕上げ:約15前後% 乾燥後は約5%以下を確保する必要がある。焼成工程において破裂を防止するには、「乾燥後の水分」管理が重要。

17.タジン鍋 製造・販売の動機/「やきものワールド」見学

 2006年秋、ナゴヤドームにおいて「やきものワールド」なるイベントが開催された。全国の窯元が自慢の「やきもの」を展示販売していた。
1. 市場調査の途中、会場の片隅に見慣れぬ「土鍋」を発見、しばし観察した。タジン鍋との出会いである。
2. 帰宅してインターネット検索し、世の中にひそかに出回っている事を知る。
3. 早速、材料探し、試作、試調理、試食を繰り返した結果、グルメ、健康志向、省エネの時代に「必ず流行する」と確信した。
4. 一般に市販されているかを調査。デパート、瀬戸の陶器店、材料メーカーなど、全く陳列無く、又、知らないとの事であった。
5. テレビで見かけたとの情報もあり、又、偶然にもその後のバラエティ番組で瞬間的に画面に映ったのを見た。このときはタレントが「変な鍋!」と言ったのみで特別な紹介はなし。 

 以上の通り、まだ世間に認知されていないと分析、当ブログを利用して認知拡大を試みることにした。  

16.タジン鍋の手作り-7/中仕上げ


 半乾燥した製品を決められた寸法・表面粗さに仕上げる。鍋は内面の平滑性と蓋の接触面を丁寧に、蓋は上半分の肉厚を20mm以内に収める。

2008年4月29日火曜日

15.タジン鍋の設計思想/性能と使い勝手

 性能を充分に発揮し、デザインも良く、使い勝手も良くなければ実用性は無い。鍋底の肉厚は抑え、鍋側面の肉厚を厚く、蓋の形は持ち上げやすく・重さは大きく、邪魔にならず、洒落た形、全体のコストは小さく・・・。又、標準品は「1~2人用」と判断、4~5人用は製作可能だがコストが2倍で、しかも、重くて邪魔になるのでオプションとした。

14.タジン鍋の手作り-6/半乾燥

 中仕上げが出来る水分まで乾燥する。ガスバーナーで焙る時も有る。(雨降りなど乾燥が遅い時)

          ロクロ引き直後の製品

13.タジン鍋の手作り-5/ロクロ引き


            ロクロ引き途中


            ロクロ引き前の玉土

  最高の熟練を要する作業である。ロクロの回転力を土に伝えて組織を均一化すると同時に引き締める。無論、中仕上げの切削部分・切削量を最小限にすべく上手に成形し最後は所定の寸法・形状に仕上る。

12.タジン鍋の手作り-4/菊練


 荒練の段階では大きな気泡が沢山含まれているので除去する必要がある。菊練は粘土に圧力を加えながら捻り回転し、万遍無く攪拌する事で気泡を追い出すと同時に、全体の組織を引き締める。この作業はある程度の熟練を要する。

11.タジン鍋の手作り-3/粘土の荒練


 粘土の塊は水分や成分のムラが大きい場合が有り、これを荒練で均一化する。

10.タジン鍋の手作り-2/材料について


                  左:超耐熱粘土、右:同釉薬

 既に言及したように稀少原料を輸入使用しているので高価な材料である。成形性も悪く、焼成条件もシビアなので食器等との詰め合わせ焼成もできない。
 

2008年4月26日土曜日

9.タジン鍋の手作り-1/製造工程

製造工程の概略
材料:超耐熱粘土、及び、超耐熱釉
製法:手ロクロ
工程:あら練、菊練、ロクロ引き、半乾燥、中仕上げ、乾燥、仕上げ、施釉、窯詰、焼成、窯出、完成

順次解説します。材料、経費、手間が大きくコストダウンが課題。

2008年4月24日木曜日

8.タジン鍋の販売事情/商品とその信頼性の認知

 「タジン鍋」で「検索」すれば、沢山の情報が出てきます。しかし、日本では「知っている人」は少なく、一部で製造・販売されているのみです。テレビでは数回、断片的に放映され、若干の反響はありましたが充分ではありません。ところが期せずして「くちコミ」の効果を実感。多くの人に「タジン鍋の良さ」と「信頼性」が認知されれば、「健康とエコ」を目的に流行する可能性は充分に有ると考えられます。そこで、メディアの力が必要です。まずは、webで公開し、次第に「テレビ」、「新聞」へと広がる事を期待しております。みなさまのご協力をお願いします。

7.タジン鍋愛用者談/使い出したら止められない/夏OK

「柔らかくてとても美味しい。使い出してから体調が良くなった。友達数人にプレゼントする。」、
「タジン鍋のお陰で、自分で料理がたのしめるようになった。使い出したら止められない。子供たちにも勧めた。」、「デザインがよく、インテリアにもなる。」、「日に2回使っている。」、「孫が野菜を喜んで食べ、残った汁をストローで吸うことを楽しんでいる。」、「真夏は野菜が食べずらいがタジン鍋を使うと暑さを忘れて食べられる。」

6.タジン鍋のレシピ/キャベツがいちばん

 入門編 まず、食材を単品で、しかも味付けなしで試してみる事です。最も簡単なのが「キャベツ」、「ジャガイモ」、「かぼちゃ」、「にんじん」・・・など、「ベーコン」を添えても良い。時間や水加減を試しながら慣れる事が第一。
 応用編 自由にやってください。鍋が赤熱しても割れる事は滅多にありません。レシピの詳細は省略します。「タジン鍋のレシピ」で「検索」すれば参考になります。
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5.タジン鍋の超耐熱性/従来の土鍋とは陶材料が違う

 陶器店やスーパーで販売されている比較的安価な一般的な土鍋は、耐熱剤として「シャモット」や「マグネシア」原料が使われている。対して当タジン鍋や高価な手作り土鍋は「ペタライト」が使用され、耐熱性能は抜群である。 ペタライトとは、葉長石、リチュウム長石とも言う天然石の一種で宝石として人気のある稀少鉱物である。アフリカ、ブラジル、チリ、カナダ等が主要産地で陶器はアフリカ産が主力との事。流行のリチュウムイオン電池はブラジル産である。また、ペタライトはケータイや人口陶歯などにも使用されている。 化学式は「Li2O・Al2O3・8SiO2]、リチュウム系低熱膨張物質を含み、更に、一般土鍋より焼き締まった硬い製品を得る事ができる。
 一般に耐熱性は主として「熱膨張率」、「吸水率(気孔率)」、「固有強度」で決まる。シャモット系とペタライト系の熱膨張率を比較すると、前者3~5、後者0~1で5倍以上の差がある。吸水率では、20%、10%で各々の耐熱性、保温性と強度を確保できる数値である。吸水率は大きいほど熱膨張は小さく保温性も良くなるが逆に強度が弱くなる。参考までに他の材質の熱膨張率は、アルミ・23、ステンレス・17、鉄・12、普通陶器・10、普通ガラス・10、耐熱ガラス・3 (単位・省略)
 耐熱性など実際の性能比較は後日公開。

2008年4月23日水曜日

4.タジン鍋の使い方/すごく簡単

1. 空鍋を2~3時間水に漬けておく。土鍋は小さな気泡が沢山あり、使用中に汚れが滲みこまないようにあらかじめ水を滲みこませておく。

2. 野菜の水分の多い物から順にたっぷり入れる。この時、鍋底に水を大さじ1~2杯入れておく。基本的には差し水は要らないが、うっかりコゲの防止のために入れておく。

              キャベツとベーコン

3. 肉類や魚介類などを入れる場合は野菜の間にはさむか、上、又は、横に添える。

4. 味付けは、してもしなくても良い。

5. 蓋をしてガスコンロに乗せる。最初から強火で良いがガスの炎が鍋より小さい事、3連ガス台の奥がよい。


6. 約5分経過して、蓋と鍋の隙間から泡や蒸気が出だしたら1~2分してガスを止め、1~2分蒸らす。

7. そのまま食卓に運び、食べる直前に蓋を取る。熱いので火傷をしないよう保護具を使用する。


 以上は使い方の一例であり、ユーザーの自由な発想と工夫で楽しんで使いこなしてください。少々過酷な使い方でも熱で鍋が割れる事は殆どありません。例えば、豆を炒ったり、蓋を容器として使ったり・・・。

2008年4月22日火曜日

3.タジン鍋の特徴/野菜が柔らかく、とてもおいしい

 従来の土鍋の特徴である「徐加熱」、「遠赤外線加熱」、「保温効果」を更に高めるだけでなく、「直火急加熱・空焚き」、「水分循環」を可能にしました。従って「無水調理・蒸し焼き」に最適であり、美味しいだけでなく、時間とエネルギーの大幅節約になります。
 
 「カンタン」  お好きな材料を入れて火にかけるだけ、直火、空焚きもOKです。一般の土鍋に比べて、半分以下の時間で仕上がります。

 「オイシイ」  密閉式蒸し焼きのため、素材の旨味・香りを逃がさず、柔らかく、おいしい。夏でも充分に野菜を食べられます。
             
 「タノシイ」  蓋を開ける時のスリル、使い方を工夫する楽しさがあります。 
      
 「ヘルシー」  油や調味料も使わず、特に野菜が柔らかくて美味しいので、たっぷり食べられます。
      
 「エコロジー」  水や油を使わないため、エネルギー、手間は半分以下で済みます。

2008年4月21日月曜日

2.無水調理土鍋 /タジン鍋とは?

 「タジン鍋(tajine pot)」とは、アフリカの砂漠地帯であるモロッコ地方で発明発展した、伝統的な土鍋の総称です。三角帽子状の蓋(ふた)で、野菜から出た蒸気を水に戻して循環させ蒸し焼き調理する、水の少ない地方で育まれた独特のアイデアです。この土鍋を、ハイテク材料を使って超耐熱化したのが、今回お勧めする手作り「タジン鍋」です。土鍋も進化する。

商品:「タジン鍋 白色/アメ色」
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2008年4月19日土曜日

1.タジン鍋のインターネット販売を始めました

 はじめまして。
 ここでは手作り土鍋 「タジン鍋」 の紹介を色々としていこうと思っています。 定義・性能・特徴・使い方・レシピ・愛用者談・製造秘話・・・・など。
 乞う、ご期待!!

 追記 今後一層の信頼性向上に努めてまいりますので、皆様のご意見、ご指導、ご鞭撻を、よろしくお願いいたします。既に公開した内容も随時改善して充実化します。